一歩踏み出した先にある可能性を信じて──
決済領域で新しいサービス作りに挑む

決済企画部 商品戦略Gr
2014年入行(キャリア)
小出 俊介

「まずはチャレンジしてみることがイノベーションの第一歩」と話す小出 俊介。国内SIerを経て2014年に三菱UFJ銀行に入行し、現在は決済企画部商品戦略グループで次長を務めています。銀行ならではの壁にぶつかりながらも、新サービスの開発に携わってきた小出の仕事観や今後の展望に迫ります。

大事なのは挑戦するマインド。だから、「やらない」という選択肢はない

──2014年に入行した小出。現在は、法人向けの決済サービスを所管する決済企画部商品戦略グループの次長として、既存サービスの管理だけでなく、決済領域での戦略立案、商品の企画開発業務なども担当しています。

小出「一例を挙げると、扱っているのは、キャッシュレス決済を行う際に必要となるサービスです。QRコード決済を利用する際、銀行口座からチャージができるという仕組み。この裏側にある、決済事業者と銀行口座を接続してリアルアイムで口座振替ができるサービスは、私たちが所管しているものの一つです。

ほかに、法人のお客さまの経理業務を効率化するサービスなども提供しています。たとえば、自社の口座から取引先へ振込をした場合、銀行の明細を見ても、どの請求に対する決済なのかはわかりません。それを確認して消し込みする作業を自動化するツールなどがあげられます。」

──近年、キャッシュレス決済が普及するにつれ、銀行においても決済サービスの重要性が増しています。

小出「これまで、チャージ手段としてはクレジットカードが主流でしたが、安心感や利便性という点で、銀行口座からチャージする仕組みが急速に拡大しています。キャッシュレス決済の広がりとともに、銀行との新しい連携の仕方が見えるようになっているのではないでしょうか。」

──決済サービスを所管する部署の重要性も増しているなか、新たな領域でサービスを生み出す小出が大切にしているのは、「挑戦を続けるマインド」。その理由をこう語ります。

小出「もともとイノベーティブなプロジェクトに携わってきたので、基本的に『やらない』という選択肢は自分の中にありません。とにかく前に進み続けないと新しいことは生み出せませんし、イノベーションは起きませんから。

現在の部署は既存サービスも扱うので、新しいものだけに取り組むわけではないのですが、部下たちにも『とにかくチャレンジしてみてほしい』と伝えています。一歩踏み出したその先にお客さまがいるかもしれないし、新たな取引が生まれるかもしれない。可能性を潰したくないので、やらない後悔よりやって後悔することを選びます。」

電子マネーの普及とともに、決済領域でシステム開発のキャリアを築く

──三菱UFJ銀行にキャリア入行する以前は、国内のSIerで小売・流通業向けのシステム開発に携わっていた小出。主にコンビニエンスストアで使われるPOSレジの開発などを担当していましたが、電子マネーの普及に伴い、業務への関わり方が変化していきます。

小出「電子マネーに対応するため、レジ周りに必要となる端末の開発に移行していきました。そこから電子マネーに関するビジネスに業務が移っていったことで、決済領域の知見や経験が増えていったんです。それを活かして、電子マネーのシステムを作りたいというお客さまへのコンサルティングも行うようになりました。」

──開発の担当者という立場を飛び越え、よりビジネスに深く関わるようになったことで、「自分で作ったサービスを世の中に出してみたい」という気持ちが強くなった小出は、転職を決意。IT関連の企画ができることを軸にさまざまな業種を見た結果、三菱UFJ 銀行を選択します。

小出「いろいろな業種を見る中で、自分が考えている決済の領域は狭い世界のものだったことに気がつきました。これまで携わってきた決済を起点にキャリアを広げるなら、金融の世界が良いのではないかと考えたのです。」

──入行後は、IT事業部に所属。当時のIT事業部は、銀行においてITがビジネスとして成り立つのかを調査・研究することが主な業務でした。

小出「海外を中心に、ITを使って新たな金融サービスを作っていくという動きが出始めた時期だったので、ITをバックグラウンドに持っていることは強みになると感じました。

とはいえ、当時はまだタブレットや会話型のロボットを銀行の業務にどう活かすかといった研究や実験も通常の業務のひとつ。ときには、ドローンをテーマにしたことも。デジタルやITというキーワードがあれば、何でも企画のタネにしていたので、客観的に見れば『何をやっている人たちなのか』と思われていたかもしれません(笑)。」

規制の中でどうビジネスを作るか──
ストーリーと他社とのアライアンスがカギ

──入行以来、モットーとする「迷ったらチャレンジする」を体現してきた小出。なかでも自分のキャリアを象徴するプロジェクトだったと振り返るのが、国内の銀行で初となるデジタル通貨「MUFGコイン」の開発です。

小出「当時は、ちょうど暗号資産が知れわたり始めた時期。暗号資産は投資用として普及し、価格変動が大きいという特徴がありましたが、そうではなく安定的に運用できるデジタル通貨をめざしました。」

──念願かなって自らサービス開発をする立場となったプロジェクトは、小出にとって大きな財産となりましたが、同時に大きな課題を突きつけられた経験でもありました。

小出「銀行も企業ですから、収益性を考えなくてはいけません。ただ作ればいいというわけではなくて、使ってもらう仕組み作りが必要なのです。

でも、地方ではそこを地元とする地銀の圧倒的な認知度がある。販売戦略に長けた電子マネーも一気に普及している。そうなったときに、『三菱UFJ銀行が取り組む意味は何だろう』というジレンマが常にありました。

サービス開発をする上で当たり前のことですが、これまではビジネスの部分はお客さまが考え、私はそれをシステムでどう実現するかを担う立場。ゼロから自分で戦略を練る大変さを実感しました。」

──壁にぶつかった小出ですが、この経験によってビジネスにおいて重要な「ストーリー」を構築する力が身についたと話します。

小出「銀行は多くの企業のビジネスを見てきていますから、当然、自分たちが行うビジネスの合意形成をする際も、『なぜこのサービスが必要で、どう使ってもらって、どうやって収益を上げるのか』というロジックやストーリー性をすごく問われます。

このストーリーが作れずに、『他の人ならできるのかもしれない……』と悩んだこともありましたが、ストーリーを作る力、そしてそれを伝える力は、入行してから私がもっとも成長できた部分だと感じています。」

──もう一つ、小出にとって壁を乗り越える大きなきっかけとなったのは、他社とのアライアンスです。

小出「銀行は、法律によってできる業務が規制されています。そのため、新しいことをやるには、他社と協力していくことがカギになると考えたのです。

ありがたいことに当行は知名度がありますから、新しいことを企画すると、興味を持ってくださる会社も多いんです。そのネームバリューを活用させてもらい、とにかくいろいろな人に会いにいきました。そのネットワークは今でも活きていますし、他社とアライアンスを組むベースを作れたことは、会社の財産になっているのではないかと思います。」

盤石な事業基盤があることが強み。チャレンジがイノベーションを起こすと信じて

──現在、管理職としてマネジメントする立場でもある小出。プレイングマネージャーというスタイルは変えずに、これからもチャレンジを続けたいと意気込みます。

小出「銀行は規制のある中で業務を行う特性上、新しいことに取り組むハードルが高いという背景があります。けれど当行は近年、チャレンジを後押しする風土ができています。事業基盤がしっかりあって、イノベーションを起こすための体制が組まれていることは、やはり何よりの強みですよね。

私は管理職とはいえ、管理だけする人にはなりたくない。これからも、新しいことを生み出すというミッションに挑戦していきたいと思います。」

──挑戦しながら、さまざまな壁を乗り越えてきた小出ですが、まだまだ解決すべき課題もあります。

小出「銀行という事業の仕組み上、スタートするまでの合意形成や予算組みに時間がかかるという現状があります。そういったことを踏まえた上で、個々人がスピード感を上げるための工夫と情熱を持つことが必要です。

また、アイデアの発散性も足りていません。チャレンジする風土になってきたとはいえ、『ここまでしかできないのではないか』と踏みとどまってしまう人が多いと感じます。

私1人で変えられることではありませんが、私のチャレンジが誰かに影響を与えることができたら嬉しいですね。」

──1人では変えられない──だからこそ、新たに加わる仲間にもチャレンジするマインドを求めています。

小出「得意分野があることは大事ですが、それだけにこだわっていると業務の幅が狭くなってしまいます。『何でもやってみたい』という漠然とした好奇心でいいので、新しいことに前向きに取り組める気持ちがある人と一緒にチャレンジしていきたいですね。」

※ 記載内容は2023年11月時点のものです

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