人と人をつないでより強い組織に——
大胆なキャリアチェンジで次世代金融の実現に挑む

デジタルサービス企画部 システム企画Gr
2007年入行(新卒)
値賀 華子

デジタルサービス企画部システム企画グループで、Tableauを活用したダッシュボード開発に携わる値賀 華子。営業としてキャリアをスタートさせながら、キャリアチェンジを経て拠点向けのDXを推進してきました。仕事に対する想いや強い使命感、そして子育てをしながらフルタイムで働くモチベーションの源泉などを語ります。

全社DXを担う部門でTableauを使った開発を担当

──全社の各拠点に向けたDX推進を担うデジタルサービス企画部。値賀はそのシステム企画グループに所属しています。

値賀「Tableauというビジュアル分析プラットフォームを使って、データの集計とビジュアライゼーションに携わっています。当行の営業拠点では、お客さまを分析・訪問する際、本部から発信されるターゲットリストをはじめとするさまざまなデータを事前に集計し、これを可視化する作業を行っています。ところが、情報量があまりに多いために、これまで行員はその対応にかなりの労力を費やしてきました。
Tableauはデータを視覚化し、理解しやすいかたちで提示するためのBIツール。これを活用して業務効率化による営業の量向上だけでなく、データの気づきを与え質も向上させることが私に課されたミッションです」

──2022年12月にダッシュボードを全拠点に向けてリリース。2023年7月現在は、その機能改善や新規開発を行っています。
「以前は各拠点でExcelを使って独自に集計・加工されていた業務プロセスが、Tableau導入により標準化されました。これにより、データを集計したり加工したりする負荷だけでなく、データを使う側が内容を理解するための負荷を軽減することにも成功しています」

──システム企画グループが担うのは、お客さまと接する現場とシステム開発部署とのいわば橋渡し役。立場に関係なく、話す相手の意見にフラットな姿勢で耳を傾け、問題の本質を探ることを値賀は心がけてきました。

値賀「何か困りごとがあって相談を受けることがほとんどですが、要望をそのまま受けとめようとすると表面的な解決にしかなりません。ヒアリングを重ねて根本原因を探り、真の課題を見つけるよう努めています。
また、すべての要望を同時に満たすことはできません。足元のマーケット環境などを踏まえ、注力すべき領域か否かや既存ツールにはない機能なのか、相談件数や実装難易度を総合的に検討して優先順位を付けながら取り組んでいます」

法人営業、デリバティブセールスを経てシステム開発へ

値賀が三菱UFJ銀行に新卒入社したのは2007年。京橋支店に配属され、法人営業を担当しました。その後、本部へ異動し、市場のデリバティブ(先物取引やオプション取引などの金融派生商品)の営業を経験しています。

値賀「デリバティブの営業は自ら希望したことでした。入行して1年後に起きたリーマンショックによってデリバティブの商品に強いネガティブイメージが起きていたことが理由です。
当時、私が営業として携わっていたのはアフターフォロー。デリバティブは製品としてはとても良いものなのに、使い方によっては問題が起きてしまう──だったら、私がその道具をうまく使いこなせる人間になればいい。そう考えて異動希望を申し出ました」

──とはいえ、値賀にとってデリバティブは未知の領域。キャッチアップするのに大変な苦労を余儀なくされますが、後悔はなかったと言います。

値賀「異動直後、同僚が同じ言語を話しているとは思えないくらい、何を言っているのかまったく理解できなかったのを覚えています。でも、まだまだ自分には知らない世界があり、世の中が思っていた以上にダイナミックに動いていることを肌で感じられたことはとても新鮮でした」

──その後、産休育休を経て、デリバティブの法人向け運用セールスを担当した値賀。かつての上司から「営業向けのアプリケーション開発のプロジェクトの立ち上げに参加してほしい」と声をかけられたことを機に、同部門のシステム開発に携わることになります。

値賀「業務効率化やアプリ開発に興味はありましたが、その方面の知識はゼロ。まずは簡単なITパスポート試験のための勉強をしながら、最低限の知識を身につけていきました。ただし、そのプロジェクトで私に求められたのは技術的なスキルではなく、営業現場のニーズを拾い上げ、それを要件としてコミュニケーションロスなくベンダーに伝えること。それに気づいてからは、わからないことがあれば現場へヒントを求めに足を運んだり、つまずいたらベンダーに何を学ぶべきか教えを請いながら試行錯誤する日々が続きました。」

──やがて、現場の要望を拾うだけでなく、行員をお客さまと捉え、その要望に真摯に向き合うことを意識するようになった値賀。開発の仕事に大きなやりがいを感じたと言います。

値賀「アジャイル形式で次から次へといろいろなものを開発していく中で、現場の皆さんから、『あれもこれもできるようになった。やりたいことをつなげる根っこの部分を担ってくれたのは値賀さんだ』と言われたことがありました。そのときはとてもうれしくて、この仕事に取り組んできた甲斐があったと感じました」

──失敗しては修正の繰り返し。正解がない中、あきらめることなく地道に駆けずり回ったからこそ見えたものがあります。

値賀「システム開発の過程で、つくり手と使い手のあいだに立って双方をうまくつなげられたときにプロジェクトがうまく進むと感じた瞬間がありました。
当行にはセールスやシステムなどいろいろな分野に高い専門性や能力を持った人材が多数おりますが、どこかでモヤモヤを払拭できずにいるのは、人材同士をつなぐ人がいないからだとそのときに気づきました。
専門の枠を超えたコミュニケーションがうまくいけば、『1 + 1』が『2』ではなく、『3』にも『4』にもなる。そんなシナジーを生み出すための架け橋のような存在になりたいと考えるようになっていきました」

銀行が変革していくために。部門を超越して人と人とをつなぐことが自分の使命

──社内の人と人とをつなぐ点に自身の介在価値を見出した値賀。現在所属するデジタルサービス企画部に異動したきっかけは、社内公募でした。

値賀「組織の成長の妨げになっているコミュニケーションロスが、社内のいたるところにあると考えていました。そんなとき、たまたま視野に入ったのがデジタルサービス企画部の社内公募。ここなら部門横断型の取り組みができそうだと感じました」

──応募に踏み切った背景には、金融DXに対する課題感もあったと言います。

値賀「近年は現金を使う人も機会も減ってきていて、当行が提供する仕組みの外でお金が動くようになっています。変化のスピードがますます速まり、従来の業務だけで銀行が生きていける時代ではないと感じていました。
ただ、いざ新しいビジネスを生み出そうとするときに全員が一斉にスタートダッシュを切るには、土台づくりが欠かせません。DXを推進していくための土台づくりができたらと考えていました」

──異動後すぐにTableauを扱うようになった値賀。ツールの高い柔軟性に惹かれた反面、課題も感じたと言います。

値賀「やりたいことをすみやかに実現できるTableauはとても魅力的でした。機能改善はスピードが命だからです。
一方、使いたいデータの調査に時間がかかったり、使う上での申請フローが複雑など運用面での改善余地はあると感じています。また全行ツールとして使うことを考えたとき、Tableauの得手不得手みたいなものも見えてきているので、自身が感じた課題などは関連部署へ連携をしています。」

──デジタルサービス企画部に移って1年になる値賀。業務を進める上で、前部署はもちろん営業の経験も役立っていると語ります。

値賀「SQLやデータベースなどのシステムの知識だけでなく、データ収集などについても前部署でひと通り経験していたので、当時覚えたことを応用しながら効率的に進められるようになってきました。
また、営業時代に交流があった方々と今回あらためて接する機会がありました。私の珍しい名字や新人時代の仕事ぶりを覚えていてくださっていて、円滑に話が進む場面が何度もありました」

周囲にいる人を大切にする気持ちが原動力に

──デジタルサービス企画部での自身の役割を、『身近に落ちている答えをかたちにしていくこと』と表現する値賀。今の仕事の醍醐味についてこう話します。

値賀「実装したものを拠点に展開したときの反応は良くも悪くも直接的です。そこにやりがいを感じています。
また、答えをかたちにしていくプロセスに正解がないため、自分たちで試行錯誤していかなくてはなりません。自由度が高く、与えられている裁量権が大きいこともこの仕事の魅力だと思います。」
産休・育休からの復職後、値賀はこれまでフルタイムで働きながら子育てとの両立を実現してきました。その背景には、子育てに対する独自の哲学がありました。

値賀「自分ひとりだけで子育てしないといけないとは思っていません。夫や母はもちろん、学校の先生や学童の指導員の方などの協力も得ながら、短くとも濃い時間を子どもと過ごせたらと考えています。
ですから職場でも、子育てしながら働いていることを周囲から気遣われないようにと、自分から率先して仕事を取って働く意欲があることを積極的にアピールしてきました」

──キャリアを通じて、前だけを見ながら走り続けてきた値賀。その行動力の源泉になっているものがあります。

値賀「営業時代からずっと、身近にいる人から感謝されることに励まされてきました。社会のため、世界のためと考えると気が引けて何もできなくなりますが、身近にいる方々であれば自分にもできることがあります。
お客さまや営業の現場で働く方々から『ありがとう』の言葉をいただくときが、自分の存在意義を感じられるとき。自分の周りにいる人を大事にする気持ちが仕事への原動力になっていると思います」

──そんな値賀の目標は、さらに上流のシステム企画に携わること。現場で養った感覚を強みに、金融DXの実現をめざして、これからも躊躇せず挑戦を続けます。

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