「当行プロ認定」のクラウドエンジニアが語る──
高度な銀行システムに挑む醍醐味

三菱UFJインフォメーションテクノロジー(出向) 業務共通開発部
2012年入行(キャリア)
南 大輔

SIerなどを経て、2012年に三菱UFJ銀行へジョインした南 大輔。クラウドスペシャリストとしてAWS環境を構築・提供するチームの運営や育成など、幅広い領域で活躍してきました。そのキャリアを振り返り、大規模かつ高度な金融システムに携わる醍醐味を語ります。

マルチベンダーでクラウド開発を推進。
フラットな関係性で実現する効率的なチーム運営

──南は三菱UFJインフォメーションテクノロジー(以下、MUIT)のインフラサービス部に所属し、IT基盤の構築を担当。

「われわれの部署では、システム開発を3つの階層に分けて担当しています。アプリケーションをつくる最上層、アプリごとのインフラをつくる中間層、そして私の所属するグループ共通基盤本部(システムの土台となる基盤全体を担当)です。
インフラサービス部はさらにオンプレミス、クラウド、ネットワークの3つに分かれています。私はクラウド領域のうち、とくにAWS環境の構築・提供するチームを運営しています」

──開発は5つのスクラムで取り組んでおり、南は合わせて約70名のメンバーを率いるリーダーを務める。

「銀行のシステム開発は、プロジェクトごとに特定のベンダーと一対一で進めるケースが多いのですが、当部署では各スクラムに必ず2社以上のベンダーが参加するマルチベンダー形式で進めています。
というのも、チームを立ち上げた2018年ごろはクラウドの開発経験があるベンダーの方々がほとんどいなかったため、依頼できる数社と互いに協力しながら開発を進めていく必要があったんです。さらに、ベンダーが1社だけだと、どうしてもこちらが一方的に頼る格好になりがち。マルチベンダーにすることで、われわれも含めスキルを補完し合ったり協力し合ったりできるフラットな関係を築きたい、という狙いもありましたね」

──エンジニアとしてキャリアを重ねてきた南。マネージャーとして上流工程に携わるいまも、大切にしていることとは。

「ベンダーの方々に依存してしまうことがないよう、プロジェクトの中身を自分なりに理解することはいまでも心がけています。外部に頼りすぎてしまうと、開発の内容を把握しきれないばかりか、チームの技術力が損なわれてしまう──そうした事態を避け、メンバーがスムーズに開発プロセスを進められるようなチーム運営を意識しています」

以前はSIerやシンクタンクで金融系システム開発を経験。
さらなるやりがいを求めて三菱UFJ銀行へ

──文系出身ながら、将来性を見据えてITエンジニアを志した南。2000年に新卒入社した国内SIerでは、金融系のシステム開発を担当。

「まずは職能を身につけると考え、キャリアのスタート地点としてスキルのある人たちと仕事ができる環境を選びました。メガバンクと大手信託銀行にそれぞれ1年半ずつ常駐し、主にクライアントサーバ系アプリケーションの実装に携わり、詳細設計から開発、テストまで一連の工程を経験しています」

──その後、南は大手証券系のシンクタンクへ。当初はアプリケーションの開発に携わりますが、チューニング担当を経て、初めてインフラに関わる機会を得ます。

「入社して半年ほどしたころ、アプリに大きなトラブルがあったのをきっかけに、トラブルシュートやチューニングも担うようになりました。その後、社内クラウドの立ち上げと同時に、チューニング部隊ごとインフラ部門へ異動。そこでインフラ設計の基本を学びました」

──12年以上にわたり2社で金融系システムに関わってきた南。業界特有の大規模システム開発における強みを発揮できる環境を求め、新天地として選んだのが三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)でした。

「システムが大きくなればなるほど、アーキテクチャや機能が複雑になり、開発プロセスの再検討や改善が必要になるなど、管理や維持が難しくなります。私はそれらをバランスよく見ながら推進していくことを得意としていたので、そのまま継続して金融系、とくに社会的影響力の大きい銀行システムに関わりたいと考えていたんです。中でも、システム部門を外部に切り離すことなく大事にしている印象があったのが三菱UFJ銀行。エンジニアとしておもしろい仕事ができそうだと感じ、入行を決めました」

──入行後、南が最初に担当したのは、為替のディーリングをはじめとするプロ向けの市場システム。このとき、扱うシステムの規模に度肝を抜かれたと振り返ります。

「数千個のCPUを使用して膨大な数の演算を高速で処理できるシステムで、それほど大規模なものに触れたのは初めてでした。サーバーをぎっしり詰め込んだ高さ2mほどのラックが、データセンターに10本ほど並べてあるのを見たときは驚きましたね。
前職で扱っていたシステムも大きなものでしたが、当行は予算が桁違い。規模が大きい=管理が行き届きにくいということなので、全体をうまくコントロールし、効率よく開発を進めるスキルが求められるなと、身が引き締まる想いでした」

スキル向上の一環として「当行プロ認定」を取得。
セミナー開催など後進の育成にも注力

──市場システムを担当した後、標準化チームの運営などを経て、2018年に現部署へ異動した南。業務のかたわら常にスキルの向上に努め、2016年には専門人材の処遇を向上するために設けられた行内資格制度「プロ認定」に合格しています。

「『プロ認定』とは、行員のスキルアップとキャリアアップを支援する当行独自の制度。職種ごとに必要な知識や技術、経験のレベルが設定されていて、難しいプロジェクトを成功させるといった実績だけでなく、チームづくりや後進の育成など、組織への貢献度が総合的に評価されるのが特徴です。私はインフラ全般、クラウドだけでなくオンプレも含めたプラットフォームのカテゴリーで『プロ認定』を取得しています」

──「プロ認定」の要件としても重視される若手の育成にも注力。クラウドチームのマネージャーとして、これまで主に3つの領域で取り組んでます。

「1つは、プロジェクト内での実務を通じた育成。チームにはほぼ毎年新卒メンバーが入ってくるので、ここで鍛錬を積み、ほかの部署へと巣立っていく流れが生まれています。
2つめは、プロ認定者は全員開催することになっているゼミによる育成。私は隔週で開催し、ゼミ生には模擬的な設計に挑戦してもらうなど、実務と座学のちょうど中間的な位置づけにしています。
3つめが社内向けセミナーで、この対象は若手に限らず、業界動向などの最新情報をマネジメント層に向けて発信することも。月に1回のペースで開催するオンラインセミナーには、200名前後の方が参加してくれますが、MUITの社員数を考えればまだ十分に情報が行き渡っているとは言えません。そこで最近は、セミナーコンテンツをYouTube上に掲載する試みも始めています」

──こうした取り組みのかいもあって、チームに主体性が生まれていると話す南。次のように続けます。

「システムに何かトラブルが起きたとき、一般的にはベテランやリーダーポジションの人が対応するケースが多いかと思います。でもわれわれのチームでは、入社数年目の若いメンバーも恐れることなく率先して対応してくれるようになりました。日頃のチームビルディングの成果もありますが、そうした姿勢や動きの速さに育成の成果が表れていると自負しています」

機密性や堅牢性の先へ。
「金融システムならでは」「三菱UFJ銀行だからこそ」のやりがい

──長年金融系システムの開発に携わってきた南。ミッションクリティカルなシステムを担う醍醐味についてこう話します。

「システムトラブルやセキュリティ対策への意識が圧倒的に高いのが、金融業界の特徴です。多層防御のような高度なセキュリティ対策を取り入れられるのは、組織規模が大きく、互いに確認し合う仕組みやプロセスを整備する体制が整っているからこそ。この業界でないと経験できないことは少なくないと思います」

──金融業界の中でもとくに厳重なのが三菱UFJ銀行のシステム。だからこそ、エンジニアとして感じる達成感ややりがいもひときわ大きい。

「確保される予算はシステムの規模に比例するので、高いレベルのチャレンジができるのは、銀行業界でトップクラスの顧客基盤を誇る三菱UFJ銀行ならでは。一方、システムの影響範囲が大きいゆえに、意思決定に時間がかかったり、フットワークが重く感じたりする面は多少あります。ただ、やりたいことをさせてもらえる組織ですので価値や意義を説明できれば、組織を動かすことができます。この突破力が試される環境、エンジニアにとってこれほどおもしろいものないですね」

──機密性や堅牢性だけでなく、新たなサービスへのニーズに対応できるだけの柔軟性も求められるこれからの金融系システム。求められるのは、高い技術力や専門性。

「もちろんベンダーの方々と良好な関係を築くコミュニケーションスキルも重要です。ただ、最重視したいのは技術力。システムの中身を理解できなければ、開発を丸投げしてしまうことになりかねないからです。あらゆる技術に精通している必要はありませんが、技術的な積み重ねを大事にしてきた方こそ、三菱UFJ銀行では活躍できるのではないでしょうか」

──金融系システムのエンジニアとして、一途にキャリアを歩んできた南。プロフェッショナリズムとチームワークを強みに、三菱UFJ銀行の舞台で、これからも挑戦を続けます。

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