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国内金融機関の先頭に立って、
戦略的にサイバーセキュリティを推進する。

前職でセキュリティの現場を幅広く経験

大学院では生物学、特に遺伝子の進化について研究していました。DNAの解析では膨大な情報を扱うため、自分でプログラムを書く機会も多く、その作業が非常に楽しく感じられました。次第に遺伝子研究よりもITの道に進みたいと考えるようになりました。研究生の多くが製薬や治験の会社に就職する中、私はIT企業を選択し、その中でもセキュリティ分野への配属を希望しました。コンピューターウイルスの活動はまさに生物そのものであり、その技術は非常に興味深いものでした。折しも世界的にハッカーの存在が注目を浴び始めていたため、自らそれに対峙してみたいと思いました。

その会社には約10年在籍し、セキュリティコンサルタントやサイバー攻撃などのインシデント対応、デジタル・フォレンジックやマルウェアの解析など、セキュリティに関する業務を一通り経験しました。その間に多くの専門資格を取得し、想定以上の専門性を身につけることができました。その一方で、コストや人材リソースの制約から、多くの企業で十分なセキュリティ対策が取れていない現実も実感しました。近年、外国からのサイバー攻撃によってさまざまな社会インフラや企業が甚大な被害を受け続けています。もはや対処療法では追いつかず、経営判断に基づく戦略的な取り組みが必要な時代です。私自身がその設計・構築に関わりたいと強く思うようになり、転職を決意しました。

三菱UFJ銀行を選んだ三つの理由

新たな活動の場として三菱UFJ銀行を選んだ理由は三つあります。一つ目は銀行であることです。銀行のシステムはどんな攻撃を受けても止めてはいけない、重要かつ特別な存在だと捉えました。二つ目はフィールドの広さです。三菱UFJ銀行は、自行だけでなく国内外のさまざまな金融機関とつながる巨大で複雑なインフラを持っています。そのインフラを先導して守り抜く仕事は、やりがいと可能性に満ちていると感じました。三つ目は「人」です。チームワークが求められる業務なので、同じ目的意識を持って刺激し合える環境が必要です。選考過程で現部署の方々と交流する機会を得るたびに、「この人たちと働きたい」と思いました。

SOCアナリストとして、海外拠点やMUFG各社のシステムも監視

現在、サイバーセキュリティ推進部でSOC(Security Operation Center)アナリストとして、銀行内の各種システムやPCなどの監視に当たっています。アナリストはTier1・Tier2のロールに分かれており、セキュリティログに不審な挙動が発生した場合、まずTier1が一次調査を実施して対応します。そこで解決できない場合はTier2にエスカレーションされ、より詳細な分析を行って問題解決を図ります。私はTier2を担当しながら、業務を安定的に進めるため、双方の連携強化にも取り組んできました。また、世界中からのサイバー攻撃は日々進化しており、SOC監視の仕組みはもちろん、アナリストとしての知識やスキルのアップデートも欠かせません。そのような育成体制の強化も私のミッションであり、これまでの経験をフルに活かして推進しています。

当SOCでは、GSOC(Global SOC)として海外拠点も監視の対象に含めています。米国のスタッフと連携して24時間365日の監視体制を敷き、ヨーロッパやアジアなど各拠点の関係者と常にコミュニケーションを取りながら運用しています。さらに国内には、脅威インテリジェンスやインシデント対応、セキュリティシステムなどさまざまな専門部隊があり、国内外で数千を数える情報システムをオールチームで守り抜いています。入行間もない頃に金融庁監査があり、私はSOCやGSOCとしての監視体制に関するヒアリング対応を任されました。そのときに初めて当行・MUFGのセキュリティ体制の全体像を知り、想像以上の巨大さと重厚さに驚きました。今、その最前線に立てていることに誇りと喜びを感じながら、日々の業務に専念しています。

サイバー攻撃によるシステム障害。そこから見えたもの

昨年末には、当行のインターネットバンキングが大規模なサイバー攻撃を受け、社会インフラとして必要不可欠なシステムの稼働が一時不安定になりました。多くのお客さまにご迷惑をおかけしてしまい、金融におけるセキュリティの難しさと厳しさを痛感しました。一方で、お客さまを最優先に全行一丸となって対応する姿に勇気づけられました。行員一人ひとりに備わる高い意識と迅速で的確な行動力に、当行の強さを感じました。また、事故後の取り組みにおいても、経営層がセキュリティの重要性を強く認識していることが伝わってきました。これこそが私の最も望んでいた環境であり、この転職に間違いはなかったと確信しました。

カルチャー改革の先頭に立って仲間とともに

現在の拠点は中野区で、当行のシステム・デジタル人材が集い、開発を担う三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT)の皆さまも入居しています。ここがまさにMUFG全体の「金融×IT」を担う拠点となっています。入行理由に「人」を挙げましたが、ここの人たちは金融業界とは思えないほどフランクです。部門トップとも普通に会話ができる環境であり、縦組織をイメージしている人はきっと驚くでしょう。これは文化というよりも、ここにいる人たちが高い意識を持ってこの拠点の環境や雰囲気をつくり上げてきた結果だと思います。MUFGが推し進めるカルチャー改革を牽引しようという心意気さえ感じます。この会社に入って一番良いと感じたのは、年次や役職に関係なく誰もが「ありがとう」という言葉を自然に使うところです。ちょっとしたことでも感謝の気持ちを伝える文化は非常に魅力的です。

やれることに制限のない環境だからこそ、広く長い視点を持って臨む

先ほど「24時間365日」と言いましたが、過酷な労働を強いられるわけではありません。休日はしっかり取れますし、在宅勤務や時差勤務などの制度が整っており、実際に活用されています。ワークライフバランスを保ちながら、主体性を持って働く環境があります。セキュリティに関しても、多くの部署と機能が揃っており、やりたいことをどんどん発信してチャレンジできる環境です。“やれることに制限がない場所”であることを強調したいと思います。

攻撃者たちとの戦いはこれからも続きます。私の担当はSOCですが、国内最大の金融機関として果たすべき役割は大きく、あらゆる面でリードして業界を牽引する責任があります。広く長い視点を持って、これからのセキュリティ戦略に貢献していきたいと考えています。

Profile

※所属およびインタビュー内容は
取材当時のものです。

宮下 孝幸

株式会社三菱UFJ銀行
サイバーセキュリティ推進部 サイバーセキュリティグループ 調査役

2024年入行
新卒でIT企業に就職し、セキュリティコンサルタントやサイバー攻撃などのインシデント対応、デジタル・フォレンジックやマルウェアの解析など、セキュリティに関する業務を一通り経験。2024年7月の入行後は、SOCアナリストとして、銀行内の各種システム・PCなどの監視やアナリスト育成体制の強化を担う。