2025.03.31
事業部門と直接開発を進めながら、
ステークホルダー管理のスキルを高める。
事業会社のシステム部門ならではのおもしろさ
新卒で金融系SIerに就職し、クレジットカードWebシステムの開発プロジェクトに従事しました。内製からプロジェクトマネジメント(PM)まで経験を積み、7年目の秋にクレジットカード会社に出向しました。そこで、数十億円規模のクレジットカードWebシステムの全面更改プロジェクトに携わりました。
事業会社側のPMとして、経営企画部、営業統括部、事務企画部などの各事業部門と協力し、システムの内容をわかりやすく説明するとともに、組織の要望を調整する役割を担いました。この経験を通じて、事業会社のシステム部門ならではのおもしろさを見出しました。
プロジェクトの終了が近づくにつれ、出向からの帰任をためらうようになりました。再び事業会社側で大規模なプロジェクトに携わりたいという思いが日を追うごとに高まり、転職を検討し始めました。
転職先は「自分のスキルを最大限活かせる」「即戦力として活躍できる」という軸で金融系の事業会社を中心に探しました。クレジットカード、証券、ネット銀行各社で選考が進む中、三菱UFJ銀行が際立っていたのは、システム部門の位置付けでした。システムを「戦略を実現するために必要なもの」と捉え、積極的に投資を行い、キャリア採用を推進している点が魅力的でした。
2021年7月、私は三菱UFJ銀行にキャリア入行し、システム部門の一員として新たな挑戦を始めました。
銀行のユーザー部門と終日打ち合わせを重ねる
現在、私は三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT)に出向し、チャネル本部内のダイレクトバンキング部で個人向けWebシステムの開発・保守を担当しています。具体的には、個人のお客さまがスマートフォンアプリやブラウザで振込や残高確認を行う際などに使用するシステムです。システムには多くの機能があり、複数のプロジェクトが進行しています。その中で、私は円定期預金、外貨預金、外国送金、諸届の4業務のラインリーダーを務め、11名のチームで業務を進めています。
プロジェクトはまず三菱UFJ銀行の各事業部門と要件を詰め、その後システム開発ビジネスパートナーと設計やテストの調整、進捗管理、成果物のレビューを行います。日中は打ち合わせが中心ですが、すべてのプロジェクトの打ち合わせに出席するわけではありません。大規模プロジェクトやリスクが高いプロジェクトの打ち合わせに参加することが多いです。
また、各ラインのリーダーを集めて組織運営の改善について話し合ったり、メンバーの労務管理も行っています。そのため、一日はあっという間に過ぎてしまいます。
私個人の仕事は主に朝夕に行います。例えば「自分が直接やったほうがいい」と判断したプロジェクトはその時間帯に各種成果物をレビューします。また、リスクが潜んでいるプロジェクトのコンティンジェンシープランの精査、要件定義が難航しているプロジェクトの精査、組織運営の改善案の作成など、個人ワークにも取り組んでいます。

MUFG全体の戦略プロジェクトにも参画
私は開発・保守に加え、二つの戦略プロジェクトにも携わりました。一つ目は、先述の個人のお客さま向けWebシステムにおいて、システムアーキテクチャを全面的に更改するプロジェクトです。当行では、各領域でレガシーなアーキテクチャから脱し、機能をマイクロサービス化する動きがあります。この積極的なアーキテクチャ戦略も、私が入行を決めた理由の一つです。
本プロジェクトには2022年1月のテストフェーズから参加しました。20,000人月を超える巨大プロジェクトで、テストの範囲も膨大です。限られた予算の中で、プロジェクト特性を踏まえて必要なテスト項目を絞り込み、リソースを最適化しました。自分のライン(円定期預金、外貨預金、外国送金、諸届)で出てきた課題は他のラインリーダーと共有し、プロジェクト全体の品質確保に寄与しました。テストのプロセスでは、ビジネスパートナーに厳しい要求をする場面もあり、その際はメンバーの心理的負担を考慮し、私自身がフロントに立って交渉を行いました。
二つ目は、MUFG各社間の連携を強化し、お客さまがシームレスに各グループのサービスを利用できるようにするプロジェクトです。詳細はまだ触れられませんが、私はダイレクトバンキング部の関連案件の取りまとめや、証券関連のプロジェクトにも従事しています。三菱UFJ銀行だけでなく、MUFG全体の重要戦略に携われることに大きなやりがいを感じています。
コミュニケーションスキルが問われている
先述の証券関連プロジェクトは、現在要件を整理しているフェーズです。ここで私は、前職の出向で経験したステークホルダー管理のおもしろさを再び実感しています。証券サイドにはシステム開発に不慣れな事業部門が多いため、まずシステムについてわかりやすく説明し、ユーザーとしての要件を抽出し、システム開発との「着地点」を見つけて調整しています。これはまさに私が転職してやりたかったことです。
特筆すべきは、各事業部門との調整を「直接」行える点です。前職でも出向元と出向先は同じ金融グループの一員でしたが、三菱UFJ銀行とMUITの関係はより垣根が低く、やりやすさを感じています。三菱UFJ銀行はシステム開発機能のほとんどをMUITに業務移管していますが、MUITのメンバーが銀行側のシステム部門を介さずに直接事業部門とやりとりすることが多いです。このため、システム開発のバックグラウンドを活かしてステークホルダー管理に集中することができます。
システム開発において、システムの中身に詳しいのは当然ですが、開発側が単独で進められるものではありません。各事業部門が担当するタスクもあります。例えば、法律の観点からのチェックやリリースに合わせた広報戦略の立案などです。私は、システム開発以外のタスクにも目を向けることが重要だと考えています。だからこそ、各ステークホルダーと真正面から関わることが非常に重要であり、ITスキルだけでなくコミュニケーションスキルも求められます。誠実に対応し、厳しい要求をする場合には伝え方を工夫し、必要であれば対面で話をする。このようなコミュニケーションを通じてステークホルダーとの調整ができる人は、当行で活躍できると思います。

開発スキルを磨いたその先に広がるキャリア
2021年7月に入行し、現在4年目を迎えました。もともとWebアプリケーションの開発を得意とし、即戦力として活躍したいと考えていた私にとって、現在の部署から当行でのキャリアを開始できたことは非常に幸運でした。次のステップとしては、事業部門側のシステム担当としての経験を積みたいと考えています。その経験を活かして再度MUITのチャネル本部に戻り、システム開発戦略の方針立案などに携わりながらチャネル本部を牽引する存在になることが目標です。最終的には、銀行の中で最もお客さまに満足いただけるチャネルシステムをつくりたいと考えています。
三菱UFJ銀行のシステム部門で働くメリットは、システム開発スキルを磨いたその先で、幅広い領域にキャリアを広げられることです。IT戦略の立案や各システムの企画、事業部門側のシステム担当など、実際の開発から派生するキャリアの広がりは他社ではなかなか得られません。ぜひ、当行で皆さまならではのキャリアを築いていただければと思います。

Profile
※所属およびインタビュー内容は
取材当時のものです。

秋山 史匡
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社
チャネル本部 ダイレクトバンキング部 プロフェッショナル
2021年入行
2012年に新卒で金融系SIerに入社し、クレジットカードWebシステムの開発プロジェクトを担当。その後、クレジットカード会社に出向し数十億円規模のWebシステム全面更改を経験する。2021年に三菱UFJ銀行に入行し、MUITに出向。現部署で個人のお客さま向けのWebシステム開発などに携わる。
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