2026.04.10
“新卒”の枠を超えたチャレンジ。
入行直後の3人が踏み出した一歩と、周囲のサポート。
顧客や社会の課題を起点に、社員一人ひとりの自由な発想と「やってみたい」「変えたい」という想いから、新たな事業の創出に挑む──それが、MUFGの新規事業創出プログラム『Spark X』です。これまでに延べ1,500件を超えるアイデアが寄せられ、複数の事業化案件を生み出してきました。年次や経験を問わず、誰にでも挑戦の機会が開かれているこのプログラムに、2025年度、入行間もない新卒入行の3人が挑戦し、ファイナリストまで進出しました。なぜ彼らは一歩を踏み出し、どのような支えの中で取り組んできたのか。3人の挑戦を振り返ります。
入行直後の決意。研修での出会いから始まった挑戦
──新規事業コンテスト『Spark X』への応募を決めた背景について教えてください。
小藥 今回の提案を最初に言い出したのは私です。学生時代からいくつか事業アイデアを温めており『Spark X』に応募した「未来型養蜂事業」もその一つでした。本格的に事業化をめざそうと思えたのは、この2人と出会えたことが大きかったと思います。
服部 私たちが出会ったのは、入行直後の導入研修の場です。新規事業のグループワークでディスカッションを重ねる中で、小藥さんの多角的な視点やリーダーシップ、眞銅さんのモチベーターとして周囲を盛り上げる熱意や明るい人柄に感銘を受けました。
眞銅 小藥さんとは新人研修の宿泊所で同室でした。論理的な思考力やPCスキルの高さに触れ、自分に足りない部分に気づかされたのをよく覚えています。正直、少し焦りも感じました。また、服部さんの発想力や創造力にも大きな刺激を受けました。彼女が発言するたびに、ディスカッションの視野が広がっていった印象があります。
小藥
その新人研修の場で講師から『Spark X』が紹介されたとき、ぜひこの2人と一緒に挑戦したいと思って私から声をかけました。
入行前は、金融機関には比較的保守的な考え方の人が多いのではないかと想像していました。だからこそ、2人が迷うことなく賛同してくれたことは、うれしさと同時に良い意味での驚きがありました。
眞銅 私はスポーツを通じて「挑戦なくして成長なし」という価値観を培ってきたこともあり、小藥さんの提案には自然と賛同しました。この2人と共に新しい挑戦ができると思うと、とても楽しみでしたし、大きな期待も感じていました。
服部 私も同じ気持ちでした。一方で不安もありました。特に新人として仕事を覚え、職場になじむことが大切な時期に、拠点の先輩や上司にどう思われるだろう、と。それでも、メンバーが魅力的だったこともあり、ぜひ挑戦したいという思いが不安に勝りました。
眞銅 服部さんが感じていた不安は、実は私も同じように抱いていました。ただ、振り返ってみると、結果的には取り越し苦労だったと思います。思い返せば、インターンシップに参加したときから「新人には新しい風を吹かせてほしい」と期待の言葉をいただいていましたし『Spark X』に応募した際も多くの方がバックアップしてくださいました。
小藥 私は、自分のキャリアは自分で切り開いていくものであり、チャレンジすることは自然な選択だと考えていました。挑戦を受け入れてくれる組織で、周囲のサポートに支えられました。
服部 新人研修中、夜になると教室の後ろのホワイトボード前に集まって、3人で話し合いながらアイデアを整理していきました。
眞銅 今振り返ると、あの時間が今回の挑戦の出発点だったと感じています。
業務と向き合いながら、試行錯誤を重ねた日々
──『Spark X』への準備を進める中で、どんな壁がありましたか。また、どのようにそれを乗り越えましたか。
服部 新人研修を終えて各拠点に配属されたのが4月下旬でした。そこから最終審査までの約8ヶ月間は、とにかく時間の使い方に苦労しました。常に『Spark X』のことが頭から離れず、どこか追われるような感覚を抱えながら日々の業務に向き合っていました。それでも、メンバーに自らの見解を丁寧に共有し、互いの理解が深まったことで、最終的に困難を乗り越えることができました。
眞銅 出勤時にリサーチを重ね、お昼の休憩時間に養蜂家さまにインタビュー依頼の電話をかけ、土日には全国の養蜂家さまのもとへ出かけていきました。
小藥 業務以外の時間は、ほとんど『Spark X』の準備に充てていました。3人の拠点が離れているため、業務後には毎日電話で進捗を共有していましたし、‟チーム”で愚直に取り組むよう心がけ、熱量を保ってきました。
眞銅 個人的に辛かったのは、同期の集まりで資格取得の話題になったときです。周囲が着実に勉強を進めていると聞く中で、自分はその時間を『Spark X』の準備に充てていたので、正直なところ焦りを感じました。ただ、最終的には資格も取得することができ、両立できたことにはほっとしています。
小藥 私が特に難しさを感じたのは、新規事業には正解がないという点でした。頭では理解していたつもりでも、いざその状況に直面すると、選択肢の多さに悩み、決断の難しさを痛感しました。
眞銅
養蜂家さまにインタビューしたときのことも、よく覚えています。ベテランの職人気質の方が多く、われわれのような若者が訪ねていっても、なかなか本音を話してはいただけませんでした。厳しい視線を向けられる場面もあったのが、強く印象に残っています。それでもコミュニケーションを深めてご理解いただくしかないと考え、熱意を持って向き合い続けました。
実はこうした経験は、法人営業の現場でもよく経験することです。「銀行員に何ができるのか」という視線を向けられることは珍しくないですし、しっかりとロジックを立て、誠意を持って話し続ける以外にその壁は乗り越えられないと思っています。
服部 壁という意味では『Spark X』のプレゼンテーション資料づくりが印象に残っています。資料を作成したものの、どう調整しても発表の制限時間内に収まらず、期限も迫っていたのでかなり焦りました。
小藥 あのときは3人で「どこを削るか」を悩み続けましたね。途中で気分転換に公園を散歩したことも、今ではいい思い出です。
眞銅 そのような状況を乗り越えられたのは、2人のおかげです。全員がプロフェッショナルとしての自覚のもと、行動することで、困難な局面も打破できました。
職場の応援が大きなチカラに。挑戦を見守るカルチャーがある
──職場の皆さんの反応や支援はいかがでしたか。
小藥 少し極端な例えかもしれませんが、言語を習得するなら幼い頃のほうが身につきやすいと言われますよね。社会人としての基礎の習得も同様で、新人時代はとても大切な時期だと感じています。だからこそ、若いうちから積極的に挑戦することが重要で、その姿勢を周囲の皆さんが後押ししてくれていると実感しました。
服部
『Spark X』への応募を報告したとき、新入行員であることもあり驚かれましたが、皆さん好意的に受け止めてくださいました。
同じ部の先輩行員の方々から、大阪営業本部全体にも共有していただき、自分の挑戦を知っていただく機会にもなりました。エレベーターで初対面の先輩行員の方から声をかけていただくこともあり、組織全体で応援していただいていると感じました。
眞銅
3人とも『Spark X』に取り組んでいても本来の業務をおろそかにすることはありませんでした。拠点の先輩方が応援してくれたのも、その姿勢があったからだと思います。
上司はプレゼンテーションの内容について相談に乗ってくれましたし、皆さん、顔を合わせるたびに応援の言葉をかけてくださいました。
小藥 おそらく私たちの負担が増えないよう、拠点の皆さんはさりげなく配慮してくれていたのだと思います。
眞銅 私もそう感じています。日々の業務で周囲に支えていただいていた部分も多かったのではないかと、今になって思います。当時は余裕がなく気づけませんでしたが、拠点全体で挑戦を後押ししていただいていたことに、改めて感謝しています。
小藥 『Spark X』の最終審査まで進んだものの、残念ながら受賞には至りませんでした。悔しさは残りましたが、先輩から温かなねぎらいの言葉をいただき、大きな励みになりました。挑戦を後押しする風土や、組織の温かさを改めて実感しました。
服部 部長は、海外出張から東京の会場に直行して私に声援を送ってくださいました。加えて、日頃お世話になっている他部の次長にも会場までお越しいただきました。さらに、同じ拠点の先輩行員の方々や研修講師、同期からも温かいメッセージをいただき、大変心強く感じました。
眞銅 私の拠点では支店長の呼びかけもあり、ネットをつないで、授賞式の様子をライブで見てくれました。帰ったときには皆さんが「よく頑張った」「この経験は絶対に無駄にならない」と声をかけてくださいました。
想いを実現するための環境とリソースが、ここにはある
──今回のチャレンジで得たものは何でしたか。また、就活生・求職者の皆さんにメッセージをお願いします。
服部 事業化に向けた取り組みを通じて学んだのは、長期的な視点で事業全体を考え、着実に前進させることの重要性です。構想だけでなく、実行段階では多くの関係者との丁寧な調整が不可欠で、養蜂家さまや協力企業さまとのミーティング設定一つをとっても容易ではありませんでした。そうした中で主体的に動き続けた経験を通じて、長期的な目標から逆算して行動し、関係者を巻き込みながら推進する力を養うことができたと感じています。
眞銅 今回の経験を通じて、評価は自分ではなく周囲が決めるものだという厳しさを改めて実感しました。どれだけ努力を重ね、熱意を持って取り組んでも、最終的には成果が問われる場面もあると感じました。もし評価が十分でなかったら、それはまだ成果が十分ではなかったということ。そう受け止め、次につなげていきたいと思いました。
小藥 出会ってまだ1年もたっていませんが、多くの経験を共にする中で、強い信頼関係を築くことができました。仲間と力を合わせてやりきることの大切さを学びました。
服部 三菱UFJ銀行には挑戦を後押しする文化が根づいているのはもちろんのこと、グループ内外の人的ネットワークや情報といったリソースも豊富に揃っています。挑戦する上で、とても恵まれた環境だと実感しています。
眞銅 もし自分が『Spark X』に挑戦していなかったらと想像すると、成長という点で、今とまったく違う行員になっていたかもしれません。一歩を踏み出したからこそ見えた景色があることは確かですから、これから入行される方にもぜひ自分なりの一歩を踏み出してほしいと思います。
小藥 2人の言うとおりだと思います。私自身、三菱UFJ銀行の膨大なナレッジに助けられ、学びの日々を送っています。成長を続けたい、情熱的な日々を送りたいと願う方に、ぜひ挑戦していただきたいと思います。
Profile
※所属およびインタビュー内容は
取材当時のものです。

小藥 空
株式会社三菱UFJ銀行 神保町支店 取引先第一課
2025年入行
経営者である父の影響で企業を支えるデットファイナンスに関心を持ち、三菱UFJ銀行に入行。現在は神保町支店で、上場企業担当の法人営業に携わる。

服部 澪奈
株式会社三菱UFJ銀行 営業本部 大阪営業第三部
2025年入行
日系企業の海外進出を支援したいという思いから、三菱UFJ銀行に入行。現在は法人営業として、電機・機械メーカーを中心に担当している。

眞銅 和馬
株式会社三菱UFJ銀行 橿原支店 取引先第二課
2025年入行
国内トップクラスの金融機関として挑戦を続ける姿勢に魅力を感じ、三菱UFJ銀行に入行。法人営業として、主に中小企業を担当している。
