2025.07.31
市場性金融商品に対する高い専門性を発揮し、
企業が前に進むチカラになる。
トップバンクだからこそ得られるものがある
──お二人の入行動機とストラクチャリンググループ配属の経緯について、簡単に教えてください。
飯野:理系出身の私は、ものづくりに関心がありました。周りはメーカーを志望する方が多かったですが、業界にこだわらずに幅広く就職活動をする中で銀行にも商品開発の仕事があることを知り、興味を持つようになりました。三菱UFJ銀行を選んだのは、グローバルに活躍する先輩方にお会いして、自分もこんなふうに働きたいと思ったことが理由です。
山際:私は、両親、祖父母とも銀行で働いていたことが、そもそものきっかけでした。初めて自分の口座を開設したのが三菱UFJ銀行で、窓口の方の印象が非常に良かったことを今も覚えています。入行の決め手となったのは、トップバンクということです。多くの企業と関わりながら業務を経験できることに魅力を感じ、入行しました。
飯野:山際さんは新卒で入行して、すぐにストラクチャリンググループに配属されたそうですね。
山際:ええ、私にとってもまったく想定外の配属で驚きました。職場では聞き慣れない専門用語が飛び交い、先輩の指導のもと、基礎の基礎を学ぶところから始めました。
飯野:私は支店で法人営業を経験した後、現在のストラクチャリンググループに配属されました。商品開発に携わりたいと希望して入行しましたから、異動はうれしかったです。
市場性金融商品のプロフェッショナルの中で、果たしてどれだけのことができるだろうかと不安もありましたが、志を高く持ち、絶対に成長すると決意しながらの着任でした。

高い専門性を発揮する
──お仕事の内容についてご紹介ください。
飯野:ストラクチャリンググループの職務は大きく2つに分けられます。1つは新商品の開発や既存商品の拡充、そして案件の組成業務です。少し分かりづらいかもしれませんが、金融市場で取引を行うトレーダーとお客さまに商品を販売するセールスの間に立ち、商品を企画・構築する役割を担っています。トレーダーでもセールスでもなく、「ストラクチャリング」を専門に行うことが業務ミッションです。
山際:もう1つの職務が、私が担当しているCPのトレーディング業務です。CPとは無担保の短期社債であり、大企業が直接金融によって短期資金を調達する際に発行されます。
トップバンクである三菱UFJ銀行のCPディーラーとしての誇りを持って、引受業務や販売業務を担っています。CPチームには女性メンバーも多く、子育てしながら活躍している方もいらっしゃいます。多様な働き方が尊重されているのも、チームの魅力の一つです。
飯野:私が担当しているのは、ディール・コンティンジェント・ヘッジ(DCH)と呼ばれる為替や金利スワップ取引を、個別のお客さまごとに商品組成する業務です。クロスボーダーM&A案件やプロジェクトファイナンス案件における為替や金利リスクのヘッジを、案件の成立前に提供するものです。その後万が一案件が成立に至らなかった場合は、その不要となったヘッジがキャンセルコストなしで解約となる点が特徴です。
山際:DCHは銀行員でも聞いたことがないという人が多い、最先端の市場性金融商品ですね。
飯野:海外との連携も多く、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港にある当行の海外金融市場部と協働し、世界各地のお客さまに商品を提供しています。DCHについて私は三菱UFJ銀行の第一人者であると自負しており、それが仕事のモチベーションになっています。
山際:CPの業務では毎日、数百億円から数千億円という巨額の資金を取り扱います。新人の頃は金額の大きさに緊張しっぱなしでした。もちろん今も緊張感を持って取り組んでいますが、個人プレーではなくチームプレーでディールを進めているので安心感があります。
私が大切にしているのは相場観を養うことで、マーケット動向や世界情勢について日々情報収集しながら方針を考えています。お客さまからのお問い合わせに迅速かつ的確に回答できたときは、市場知識とスキルの面での成長を実感します。

チャレンジできる環境が成長を促す
──印象に残っているエピソードはありますか。
飯野:私にとって印象深いのは、2019年に米国でのDCHのセットアップのために、ニューヨークに駐在した経験です。当時、DCHは米国にて取り扱いできない状態にありましたので、その状況を打破するために現地に赴任し、東京の本部と調整しながら、現地のローカルスタッフの方々の業務にDCHを導入する取り組みを行いました。
未知の商品であるDCHを業務に導入いただくことは思った以上に大変で、時には現地と東京の板挟みに苦しみながらも、現地の方々と業務上の問題点を一緒に考えて答えを探し続けた結果、最終的にDCHを業務に導入でき、米国でのDCHビジネスを確立することができました。
山際:私が印象に残っているのは、コロナ禍での出来事です。企業の資金調達ニーズが急増し、多くのお客さまから照会をいただいたことで、トップバンクである三菱UFJ銀行に対する信頼の厚さと、トップバンクのCPディーラーとしての責任の重さを実感しました。新規のお客さまも多く、初めて1人で発行提案から契約締結、約定までを実現した際は大きな達成感を得ることができました。
飯野:金利のある世界となったことで、業務に対する緊張感も一層高まったのではないでしょうか。
山際:そうですね、よりアンテナを高く張って情報収集に努めるようになりました。企業からは毎日入札のオファーがあり、どの程度の利回りで入札するかを検討する必要があります。マーケットの動向も見ながら取り組んでおり、お客さまからレートの見通しについて質問をいただくことも多く、毎日が勉強の連続です。
飯野:最近のエピソードとしては、日本に帰国後すぐに、同じチームに着任した市場業務の経験がない後輩への指導が挙げられます。DCHはもちろん、金利スワップについてもほとんど知識がない状態でしたが、わずか1年でDCHの技術を習得し、関係者との交渉をこなし、ストラクチャリングの未来像を描けるまで成長しました。その姿には驚きましたし、本当にうれしく思いました。人を育てる醍醐味を改めて感じた瞬間でした。もちろん、本人の努力が成長の最大の要因であることは間違いなく、私自身も大いに刺激を受けました。
DCHに限らず、ストラクチャリング業務は奥が深く、「これで完成」ということはありません。これからも研鑽を重ね、成長していかなくてはならないと、後輩の姿に学びました。

多彩なバックボーンの人材に期待
──今後の展望についてお聞かせください。
飯野:ストラクチャリングの仕事には、職人的な側面があると感じています。先ほど後輩の成長に刺激を受けたというお話をしましたが、一方で先輩方は尊敬すべき存在ばかりで、これからも多くのことを吸収していきたいと考えています。キャリアの展望としては、三菱UFJ銀行のストラクチャリングビジネス全体を牽引するポジションで業務を推進していきたいと思っています。
また、アジアと米国の2拠点でストラクチャリング経験を有する唯一の人材として、今後は欧州など新たな地域でもストラクチャリング業務の推進にチャレンジしたいという希望もあります。
山際:私は部内の研修でヘッジについて改めて学んだことで、CP以外の市場性商品を取り扱う業務や市場性リスクを管理する業務にも挑戦したいという思いが芽生えました。さらには市場部門で培ったスキルと経験を他部門でも発揮していきたいと考えています。
飯野:ストラクチャリンググループには本当にさまざまなバックグラウンドを持つ人材が活躍しています。例えば私のように支店での法人営業を経験してきたメンバーもいれば、トレーダー出身者や、クレジット・ポートフォリオの管理を担当していたメンバーもいます。そうした多様な人材が互いをリスペクトしながら専門性の高い業務に取り組んでいるのが、ストラクチャリンググループです。
職場の雰囲気はとてもオープンで、先輩・後輩といった立場を超えて、ちょっとした立ち話がいつの間にか本格的なディスカッションに発展するような、活発で風通しの良い環境です。
山際:私のチームも同様に、非常にオープンな雰囲気の職場です。チームの運営方針について話し合う際も、改めて会議を設定するというより、何気ない会話をきっかけに自然に議論が始まることが多くあります。そんな環境だからこそ、どんなことでも気軽に相談できる人、話しかけやすい人がチームにとって大切な存在となります。ぜひ、チームワークを重視し、周囲と協力しながら業務に取り組める方に、当Grでご活躍いただきたいと考えています。
飯野:私はチャレンジ精神あふれる方を求めています。特にキャリア入社の方は、私のように新卒から三菱UFJ銀行で働いている行員とは異なる視点や問題意識を持っているはずですので、ぜひ刺激をもたらしていただきたいと思います。ストラクチャリング商品の開発は挑戦の連続です。既存の仕組みに満足することなく、常に新しいことに挑戦していく姿勢に期待しています。

Profile
※所属およびインタビュー内容は
取材当時のものです。

飯野 正博
株式会社三菱UFJ銀行
金融市場部グローバルクライアントソリューション室 ストラクチャリンググループ
2007年入行(新卒)
法人営業を担当後、金融派生商品や外国為替取引に関連する商品開発・ストラクチャリング業務に従事。

山際 みなみ
株式会社三菱UFJ銀行
金融市場部グローバルクライアントソリューション室 ストラクチャリンググループ
2018年入行(新卒)
金融市場部に配属。以来一貫して、投資家へのCP販売や発行体のCP引受などの業務に従事。