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「MUFG PARK」が創造する、
地域コミュニティの新たな可能性。

2023年6月に東京都西東京市にオープンした「MUFG PARK」。約6ヘクタールもの自然豊かな敷地には芝生の広場や各種スポーツコートなど、多彩な空間が広がります。今回は施設の管理・運営を担う石勝エクステリアの斉藤果氏と三菱UFJ銀行経営企画部の石渡真央氏に、MUFG PARK誕生の背景や地域社会における役割などについて語ってもらいました。

◆MUFG PARKとは?
MUFGが持続的な環境・社会の実現に向けた取り組みの一環として、一般開放している複合施設。天然芝の広場をはじめ、サッカーやラグビーなどに活用できるグラウンドや11面のテニスコート、周回できるランニングコース、BBQサイトなどを幅広く提供。また寄贈された約11,500冊の蔵書が並ぶ「まちライブラリー」はMUFG PARKの象徴的な施設として、読書だけでなく、勉強や仕事、休憩などさまざまな用途に活用されている。

自分たちのアイデアでつくる、地域の新しいオアシス

──まずはMUFG PARKが誕生した背景を教えてください。

石渡:この敷地は1952年に「千代田銀行武蔵野運動場」として開場して以来、MUFGの福利厚生施設として長く社員に活用されてきました。半世紀以上にわたり大切に守られてきた貴重な雑木林があり、この空間をより多くの方々に楽しんでいただきたいという思いから、一般公開に向けたプロジェクトが発足しました。これだけ広大な敷地ですから、施工だけでなく維持管理にも多額の費用がかかりますが、MUFGは「世界が進むチカラになる。」をパーパスとして掲げ、すべてのステークホルダーが次へ、前へと進む力になることをめざしており、そのために全力を尽くし、持続可能な環境・社会の実現に向けて積極的な社会貢献活動を推進しています。この明確な方針のおかげで、私たち現場も安心してプロジェクトに取り組むことができました。

斉藤:民間企業が管理する公園で、これほどの広さと自然環境を兼ね備えた施設は全国でも非常に珍しいと思います。民間の公園ならではの自由度の高さや天然芝などのぜいたくな空間を活かすことで、公共の都市公園とは異なる魅力を発信できると感じました。開園1年前からは、地域の方々やMUFGの社員の皆さんにボランティアとして参加いただき、「自然」「健康・スポーツ」「食と農」「防災」の4つをテーマにしたプレプログラムを毎月開催しました。MUFG PARK周辺を散策しながら地域の豊かな自然を発見したり、地元の小学校でスポーツイベントを開催したりと近隣のさまざまな場所をお借りし、開園前から参加者に喜んでいただけるイベントづくりを模索しました。

石渡:準備段階から、MUFG PARKのコンセプトである「自分らしいQuality of Lifeを追求できる拠点」を実現するために、利用者と共に居心地の良い場を育む「プレイスメイキング」に取り組みました。イベントの企画内容についても運営サイドが一方的に提供するのではなく、地域の方々や社員のアイデアも積極的に取り入れました。そうすることで「自分たちのアイデアが形になる」ということを体感していただくと同時に、皆さんが楽しむ様子を見て私たちも確かなやりがいを感じました。現在も運営チーム内に「サロン」を設け、各プログラムの実施団体同士が交流したり、新たな企画を検討したりする自発的な活動拠点を提供しています。

園内で採れたタケノコで食育のワークショップを実施

──MUFG PARKならではの特徴や活用のされ方について教えてください。

石渡:「まちライブラリー」はMUFG PARKの象徴的な存在です。おしゃべりOK・飲食OKの自由な空間で、勉強をする学生や仕事をする社会人、趣味の裁縫を楽しむ高齢者など、各々の活動をしながら一つの空間を共有しています。そこに子どもたちも自然に溶け込み、顔なじみのスタッフに挨拶をしたり、周囲の大人から公共空間でのマナーを学んだりと地域コミュニティが育まれています。

斉藤:近隣の子どもたちにとっては、放課後の自由な遊び場であり「秘密基地」のような存在にもなっていますね。ライブラリーの前に広がる天然芝にはあえて遊具を置かず、余白のある空間にすることで、大人も子どもも自由な発想で過ごせる環境にしました。実際に元気よく走り回る子どもたちやピクニックを楽しむファミリーがいらっしゃるなど、思い思いの時間を楽しまれています。

──どのようなイベントが人気ですか?

斉藤:「食」をテーマにしたイベントは、毎回キャンセル待ちが出るほど人気です。園内の竹林で採れたタケノコを使って炊き込みご飯をつくるワークショップでは、採れたてのタケノコのおいしさに感動すると同時に、半世紀以上にわたり大切にされてきた土壌ならではの豊かな味わいを感じました。地産地消の食育でありながら、竹林の適切な管理や環境保全についても学べる取り組みとなりました。

石渡:「自然」をテーマにしたイベントも人気ですね。園内で出た枯損木を活用し、木のスプーンを作るワークショップでは、子どもたちが真剣なまなざしでスプーンを磨き、完成品をうれしそうに持ち帰る姿が印象的でした。参加後のアンケートでも、「植物の生まれ変わりを子どもに見せられる素晴らしい体験になりました。ぜひまた開催してください」という声が寄せられました。参加者同士のコミュニケーションも盛んで、イベントを通してコミュニティの深まりを実感しています。

斉藤:また「スポーツ」をテーマにしたイベントでは、毎回MUFGの運動部の皆さんにも協力してもらっています。例えば、野球教室のイベントで「コーチをしてくださる方を募集します」とお声掛けした際には、全国から募集人数である50名をはるかに上回る数の応募があり驚きました。さらに企画内容や段取りについても自発的に考え、行動してくれるので、運営としても非常にありがたいです。

石渡:大阪や名古屋から自費でボランティアに参加する社員もいましたね。ほかにも銀行ならではのイベントとして、金融経済教育を実施しています。近隣の三鷹支店の若手行員が中心となり、地元の小学校に金融リテラシーを身につけるためのカリキュラムを提供しています。こうしたイベントに社員が積極的に協力してくれるのは、この場所を社会貢献に活用するという当社の姿勢に共感し、その一員であることに誇りを持っていて、「一緒に盛り上げたい」と感じてくれているからだと思います。

社会問題への取り組みやビジネスの実証実験も

──施設運営において、環境問題や社会課題への取り組みはありますか?

石渡:「まちライブラリー」とパークオフィスは、自然光を取り入れたガラス張りの設計により、CO2排出を抑えるなどZEB(Net Zero Energy Building)認証を取得しています。また、駐車場には太陽光パネルや無料でご利用いただける電気自動車の充電設備を設置しているほか、蓄電器(ポータブル電源)や電動バイクのバッテリーステーションも導入するなど、再生可能エネルギーや非常用電源の確保にも努めています。

斉藤:蓄電器については三菱UFJ銀行のお客さまであるメーカーさまのご要望により、導入の際にBBQサイトで実証実験を行いました。銀行の営業担当者も参加し、メーカーさまとBBQを楽しみながら蓄電器の性能を確かめたり、公園での活用方法を話し合ったりと、新たなサービスやプロダクトを検討する場としても活用されています。

石渡:MUFG PARKでは営利目的の活動は基本的にお断りしていますが、社会貢献につながるビジネスの実証や研究であれば大歓迎です。農業関連の当行のお客さまとマルシェを開催した際には、朝採れ野菜の販売に加え、農業が抱える社会課題について来園者の方々に知ってもらう機会を提供しました。MUFGには多種多様な業界・業種のお客さまとお取引があるため、今後もこうした連携の可能性を広げていきたいです。

──最後に、今後の展望をお聞かせください。

石渡:最近では、他社から「MUFG PARKを参考に、自社の使われていない敷地を地域に開放したい」というご相談をいただくケースが増えています。こうした空間を拠点にコミュニティを形成することで、地域・社会のさまざまな課題解決に取り組めるだけでなく、災害などの有事の際にもお互いに助け合える強い地域がつくれると感じています。今後も地域コミュニティを広げていくと同時に、当行の事例を発信することで全国に同様の取り組みを広げるお手伝いをしていきたいです。

斉藤:開園以来、近隣の方々から「こんなに素晴らしい場所を開放してくれて、本当にありがとう」というお声をたくさんいただいております。「緑に囲まれた、ここでしか味わえない落ち着いた雰囲気が気に入っている」とおっしゃってくださる方もいるなど、地域の方々にとってのオアシスになっていると実感します。これからも美しい自然環境を守りながら、さまざまな企画や連携に挑戦し、地域に根差した空間づくりを追求したいと思います。

Profile

※所属およびインタビュー内容は
取材当時のものです。

斉藤 果

株式会社石勝エクステリア
MUFG PARK 統括責任者

2020年に株式会社石勝エクステリアに入社。緑地管理事業部プロジェクト推進課に所属し、公園の指定管理運営業務に携わる。MUFG PARKにはオープン前の2022年からプロジェクトに参画。

石渡 真央

株式会社三菱UFJ銀行
経営企画部 ブランド戦略グループ

2014年に入行。新横浜支店で個人のお客さま向けの営業に従事。その後、法人・リテール企画部マーケティング室を経て現職。MUFGの社会貢献活動やスポーツ協賛などの業務を担当する。